英語の勉強に映画を使うのはおすすめできない件【効率悪し】

映画

「映画を使って英語を勉強したいな。映画なら飽きずに続けられそうだし。英語学習におすすめの映画教えて!」

通訳をしていると、こんな質問をよくされます。

英単語本や文法書を使った英語の勉強て正直楽しくないから、そりゃ映画で楽しみながら学習できれば最高ですよね。

でも長年の独学で通訳にまでなった私の経験上、映画を使った英語学習はあまりおすすめできません

英語の勉強に映画を使わないほうがいい理由

英語の勉強におすすめの映画〇選とか紹介しているサイトをよく見かけますけど、はっきり言って英語の教材として映画を使うのは学習効率が悪いです。

なぜなら一般的な映画は会話以外の時間がすごく長いから。

オープニング、カーチェイスや格闘などのアクションシーン、物憂げにただ佇んでいるシーンなどなど。
物語を構成するうえでは大事でも、会話がないシーンは英語の勉強にはこれっぽっちも役には立ちません。

時間に余裕のない社会人にとって、そんな1時間半~2時間の映画を英語学習目的で観るのはあまりにも時間がもったいない。

なので映画1本観るくらいなら、同じ時間で3~4本のシットコムやリアリティーショーのような会話満載のTV番組を観たほうが遥かに効率がいいです。

シットコムがなんで英語学習に良いかは別記事でも紹介しています。
≫海外ドラマを使った英語学習の効果と注意点【通訳が語る】

リアリティーショーは台本も演出もない素人出演番組のことで、日本でも「テラスハウス」などが人気になりましたね。

アメリカでも人気のジャンルですが、出演者は普段通りに話すので、海外ドラマのように聞き取りやすいハキハキとした喋り方ではないです。
そのため初心者にはハードルが高いですが、生の英語とはそういうものなのでいずれはチャレンジしましょう。

おすすめのリアリティーショーは”Taxicab Confessions”です。

タクシーの中での客とドライバーの会話を撮影したもので、まさにネイティブのリアルな会話が聞けます。
リスニング力は相当必要ですが、上級者にとっては英会話のゴールの目安でもあります。

英語の勉強になる映画とは?

英語学習には映画より、シットコムやリアリティーショーのほうが適しているのは間違いありません。

ただ、私が観てきた映画の中にも「これはまぁ英語の勉強にはなるかな」と思った作品はいくつかあったので紹介します。

ブルー・イン・ザ・フェイス

“SMOKE”という映画のスピンオフ作品。

ニューヨーク・ブルックリンにあるタバコ屋を舞台に、主人とその仲間たちの何気ない日常を描いています。

台本はほとんどなく、役者たちの即興芝居がメインという斬新な映画。

ほぼおしゃべりで構成されているので、英語の勉強にも適しています。

コーヒー&シガレッツ

タイトルのとおり、コーヒーを飲みながら、タバコを吸いながら、様々な登場人物たちがたわいもない会話をするだけの映画。

白黒映像でまったりとした雰囲気。
お店とかで流すにはピッタリのシャレオツな作品です。

脚本は一応あったそうですが、アドリブもかなり入っていたそうです。

ドキュメンタリー映画

演出も脚本もないドキュメンタリー映画も、英語の勉強に向いています。

情報が中々無いので探すのに苦労しますが、インタビューメインやギャング関連の作品が良いですね。

私のおすすめは”Gang Wars”。

アメリカのギャング達へのインタビューがメインのドキュメンタリー。

アフリカンアメリカンイングリッシュやスラングのオンパレード。

こういう英語もあるんだなと知っておくのも大事なので、上級者になったら観ておきましょう。

ちなみにアフリカンアメリカンはアフリカ系黒人さんたちですが、彼らの話す英語のリズムはスタンダードな英語とはだいぶ違います。
(訛りのない英語を話す黒人さんもたくさんいますが)

ニューヨークのハーレムに滞在していた頃は、周囲のネイティブはみんなこんな感じの喋り方だったので、英語を聞き取るのにかなり苦労しました。

以上、英語を勉強する上では参考になる映画を紹介しましたが、やはり効率の面ではシットコムなどがおすすめです。

映画はあくまで息抜き程度に、英語字幕か字幕無しでたまに観るのがいいかなと思います。