海外ドラマを使った英語の正しい勉強法【観るだけじゃ無理】

海外ドラマ効果的な英語学習法

「海外ドラマで英語力アップするて聞いたから観てるけど、いつまで経っても英語聞き取れないし喋れない…。海外ドラマでどうやったら英語ペラペラになれるのか知りたいな。」

こんな疑問に現役通訳の私が答えます。

本記事の内容

  • 海外ドラマで英語を勉強する前にやること
  • 海外ドラマを使った段階的な英語勉強法

まず「海外ドラマ観まくったら英語力上がるかなー」と期待してる人、残念ながら日本語字幕出してただ観てるだけでは英語力はほとんど変わりません

かと言って字幕無し・英語音声のみでいきなり観ても、ほとんど聞き取れず意味不明、英語学習効果はほぼありません
自己流で間違ったやり方で学習を進めても、膨大な時間を無駄にするだけ。

海外ドラマを何十、何百時間も観たのに英語力がほとんど伸びないなんてことは避けたいですよね。

なので海外ドラマを使った英語学習の効果を最大限に引き出すには、正しい方法で段階的に学習していく必要があります。

思ったより時間がかかりそうと感じるかもしれませんが、英語の習得に近道はありません。

英語初心者でも根気よく続ければ、留学せずとも十分な英語力を手に入れることができます。

私も海外ドラマをメインに英語を独学で勉強し、TOEIC900越え、いまでは通訳として働いています。

そんな私の英語力を飛躍的に伸ばす切っ掛けにもなった、海外ドラマを使って英語を段階的に勉強する方法を紹介します。

海外ドラマで英語を勉強し始める前にやること

海外ドラマを使った英語学習を始める前に、まずは必要な準備をしましょう。

英語の正しい発音を身に付けておく

英語の発音が中途半端な状態で海外ドラマを使った英語勉強法を始めても、思ったような効果は得られません。

正しい発音を身に付けていないと、この後に紹介するシャドーイングがうまくできないからです。

なのでまずはしっかりと英語の発音を勉強しましょう。

ただし、独学・自己流はおすすめしません。
スクールなどで専門の先生に教えてもらいましょう。

発音の基礎だけであれば、そんなに時間も費用も掛かりません。

発音の変な癖が身に付いてしまうと、後から矯正するのが大変なんです。

私も発音だけは独学ではありません。
ちゃんと発音の先生に対面指導で1ヵ月してもらい、基礎をしっかり習いました。

おかげで海外ドラマの聞き取りやシャドーイングもスムーズにでき、いまでも発音はネイティブに褒められます。

興味を持てるドラマを選ぶ

海外ドラマを使った英語勉強では反復と継続が大事。

しかし興味を持てないドラマだと、繰り返し観るのが相当辛くなります。

たいていの人は一度見聞きしただけじゃすぐ忘れてしまうので、いつまで経っても英単語や英語表現が覚えられません。

また、海外ドラマならなんでもいいかと言えばそうではありません。

ウォーキングデッドなどのゾンビものやヴァンパイアものの海外ドラマが人気ですが、それらはアクションシーンなど会話以外の時間が長いので時間帯効率が悪いです。

できれば「フレンズ」などのシットコム(シチュエーションコメディ)を選びましょう。

シットコムが英語学習におすすめの理由はこんな感じ。

  • 1話当たりの時間が20~30分なのでサクッと観れる
  • 日常会話が中心で、使える英語表現がたくさん身に付く
  • 発音が明瞭で初心者にも聞き取りやすい

私は最初はシットコムに興味ありませんでしたが、アメリカ人の友人に「フレンズ」を勧められて観てみるとすぐハマりました。

フレンズの他にもたくさんのシットコムがありますので、自分の好みに合いそうな作品を選んでください。

中上級者には「オフィス」などのモキュメンタリー(ドキュメンタリー風ドラマ)もおすすめです。

はっきりした口調のシットコムと違い、よりリアルな英会話のため難易度は上がりますが、聞き取り力はかなり鍛えられます。

海外ドラマを使った段階的な英語勉強法

ここからはいよいよ海外ドラマによる具体的な英語の勉強方法を紹介します。

日本語字幕で観る

初心者がいきなり英語音声・英語字幕で観てもなかなか付いていけません。

なのでまずは日本語でドラマの内容を頭に入れます。

すると二回目以降は英語字幕に変えても、英語表現の意味を自然と推測や理解ができるようになります。

この段階ではリラックスして、単純にドラマを楽しんで観てください。

英語字幕で観る

日本語字幕で話の内容を把握した後は、英語字幕に変えてもう一度最初から観ます。

そして英語字幕を見ながら知らない英単語と英語表現があれば都度メモをして、あとでまとめて調べます。

これが一番面倒な作業ではありますが、放置するといつまで経ってもわからないままで自分で使うこともできません。

なので、知らない英単語や表現が出てきたら、必ず意味や用法を確認して、できれば記録していきましょう。

私の場合はオリジナルの辞書を作っていますので、そこにどんどん追加しています。
その際にドラマのセリフも書いておくと、後で復習した時も実際の使い方をイメージしやすいです。

英語字幕を見ながら朗読

次にドラマのキャラクターが喋るのと同じタイミングで英語字幕を朗読します。

これにより英語のリズムと発音を鍛えることができます。

ネイティブに合わせて英語字幕を朗読することで、英語のリズムに慣れることができ、聞き取りもできるようになってきます。

日本人は英単語や英文法の知識はそれなりにあるのですが、英会話と聞き取りに極端に弱いです。

TOEICが高得点にもかかわらず、発音やイントネーションが下手で英会話も苦手という人が本当に多い。

学校での英語教育が英単語や英文法を重視して、発音を軽視し過ぎじゃないのかなーと思います。

英語字幕なしでシャドーイング

最終段階では字幕を消して、英語音声のすぐ後に続けてセリフを復唱、つまりシャドーイングをします。

ここで意識することは、ドラマの中のキャラクターに向かって話しかけるつもりでシャドーイングすること。

シャドーイングは通訳者の間でも必ずと言っていいほど取り入れられているトレーニングで、英語のスピーキング力とリスニング力を同時に鍛えることができます。

最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返すうちに慣れていきますので諦めずに頑張りましょう。

そのうち初めて観る海外ドラマでもいきなり英語字幕なしで、聞き取りもシャドーイングも楽にできるようにまでなりますよ。

まとめ:海外ドラマによる英語学習に近道はない

最後に海外ドラマを使った英語学習の順序をまとめます。

  1. 正しい発音を身に付ける
  2. 興味を持てるドラマを選ぶ
  3. 日本語字幕で観る
  4. 英語字幕を見て知らない英単語と英語表現を確認
  5. 英語字幕を見ながら朗読
  6. 英語字幕なしでシャドーイング

このようにけっして楽な道のりではありませんが、外国語の習得に近道はありません。

それでも努力した先には、字幕なしでも海外ドラマや洋画を鑑賞できるようになったり、ネイティブとも不自由なく英語で話せたりと世界が一気に広がります。